怪奇貸本

望月みさお「猫になりたい」 物語

日ごろから猫になりたいと考えていた清美。

ある日、兄から猫の血を飲めば猫になれると

聞かされ実行にうつす。

数日後、猫のように肉球や爪が伸びてきて

街角で出会った同級生を引掻きケガをさせてしまう。

それでもお腹が空いた清美は猫の血を求めてさまよう。

とうとう、からだ全体が猫になってしまった!

その姿におどろいた母、兄!

果たして清美は人間に戻れるのだろうか?!

感想文

もう、この表紙だけで価値があります。

「猫になりたい」理由がこれまた凄い。

跳び箱を飛べたり、すばやく走ることができる・・・って。

いろいろ残念な兄のセリフ、ポーズが

望月みさお独特の絵になっています。

他の作品にもいえますが

望月先生の猫は、かわいくないです、むしろ

ふてぶてしい顔をしています。

そこが好きですが・・・

谷ゆきお「おとこ足の少女」 物語

学校から帰ってきた、たまみは左足の異変に気付く。

膝から下に黄色い毛が生えていたのだ!

そこは父とスキーに出かけた時に事故をおこし

手術した患部であった。

手術を担当した女医は、たまみの母のクラスメートで

以前父を慕っていた人物であった。

数ヶ月前、たまみが入院中の病院に

数億円のダイヤを盗んだ二人組の外国人が訪れ、

かくまってほしいと頼まれる。

しかし一人はすでに亡くなっていた。

たまみの母を恨んでいた女医はある計画を思いつく。

感想文

すごいタイトルです。

このタイトルを見たら絶対読みたくなるでしょう。

怪奇、というよりはサスペンスで

よく考えられていて「あ、なるほどな」と。

毛が生えた足に驚いている扉絵もいい感じです。

しきはるみ「恐龍娘」 物語

女学生の礼子。

代議士の父親が恐喝詐欺で捕まってしまう。

町を歩くと指をさされ、同級生からもののしられる。

このまま生きていくなら悪い事をしよう、どうせなら

でっかい動物か何かになって・・・

そう願ったとたん体が恐龍に変わった!

それでも顔だけは人間だったが、

この体で悪い事をしようと決めた時、顔も恐龍に変わる。

町にでて人々を襲う礼子。

母に会いに家にやってきたが母親は礼子と知りながら

恐怖のあまり、早く殺してと叫んでしまう。

落胆した礼子は刑務所に入っている父にあいに行く。

父もまた礼子の姿を見ておののく。

そしてついに自衛隊が総攻撃を仕掛ける!

感想文

一度見たら、頭から離れない表紙です。

怪獣漫画のようですが実は家族愛を描いた漫画です。

戦闘シーンが煙の描写や「ドカーン」「シュルルル」の

文字だけで省力されているのが残念です。

・・が最後に礼子ちゃんの裸が見られるので

良しとしましょう!

ちなみに、この表紙のソフビが2016年8月に

まんだらけにて限定100体で販売されました。

 好美のぼる「耳売り少女」

夜の街角に響く「耳いらんかな~」の声。

少女は血の滴る耳を売り歩いていた。

兄と二人暮らしのめぐみは、ある夜耳をもらい

願い事を耳に向かい話しかける。

翌朝、枕元に願いの大金が置かれていた。

時期を同じにして

大バサミを持って女性を襲う耳切り魔が現れる。

耳売り少女と耳切り魔の関係は!?

 感想文

駅弁売りではありません。

売っているのは血のしたたる耳。

この表紙を見たら・・・

なんで耳を売ってるんだろう?

誰の耳なんだろう?

耳を買ってどうするんだろう?

・・・と、いろいろ想像してしまいます。

耳切り描写など今ではアウトな部分がありますが

それよりも少女の小さい手で耳をもつ絵がかわいいです。

ストーリーもしっかりしていて闇組織のキャラもいいです。

実写版を観たいところですが間違いなくNGでしょう。

 関すすむ「青い炎をはく少女」

ダム見学に来ていた、いづみは川辺に落ちていた恐竜の卵を

家に持ち帰る。

卵からかえった恐竜を生物学者の父は研究材料として

家で飼うことを決める。

きびしい母親は、いづみに世話をするように命令する。

ある朝、恐竜のはく炎を浴びたいづみは、青い炎をはくようになる。

いじわるな母親が恐竜を檻から出したため

父親が恐竜に噛まれてしまう!

しばらくすると父親の体に異変が・・・

水かきができ、牙が生え、毛はぬけて尻尾が生えて

見るみる怪獣の体に変化していった!

 感想文

最終的には家族の絆を描いた漫画です。

一番の見せ所は父親が怪獣に変わっていく過程です。

それにしても

怪獣と化した父親を妻が拳銃で撃つのですが何故、一般家庭に拳銃があるのでしょうか?!

 轟一平「縮められた人間」

博士が発明した薬は人間の体の一部を大きくする薬だった。

欲に目がくらんだ助手は薬を盗みチンピラに売ろうとする。

しかし森の中に薬の瓶を落としてしまう。

これを猫や鳥が飲んでしまい体が巨大化する。そして動物たちは人間を襲い始める!

 感想文

轟一平・・・、実は陽気幽平の別名ではないかと

うわさがあります。どうなんでしょう??

 水上修「死人ぼくろ」

デートに出かけるため鏡を覗き込んだ眉美は

自分が交通事故に遭う情景をみる。

気絶した眉美は実際に血を流していた。

放課後バレーの練習中にも急に倒れ込み

顔面から血を流す。駆け寄った彼氏の殿村は

眉美の顔に「死人ぼくろ」が浮かび上がるのを

目撃する。しかし、死人ぼくろはすぐに消えてしまう。

殿村に好意を寄せる千賀子は

眉美に「怪異現象が付いている」と言いふらし

殿村との仲を裂けるようにしむけた。

病院で治療の眉美を待つ、殿村と千賀子は

窓の外に血まみれになった少女の姿を目撃!

「死人ぼくろ」とは?3人の恋の行方、青春とは?

 感想文

最後まで一気に読ませる、しっかりした内容です。

途中までは菅島茂の様な展開で後半は黒田みのるの

霊に関連してエンディングも納得がいく作りです。

水上修は謎の漫画家で誰かの別名の噂があります。

絵柄的には菅島茂っぽく登場人物の父は、

菅原亘の描くものに似ていて

医者の顔は東京トップ社の漫画家の描くものに

似ています。

東京トップ社で描いていた西たけろう、かも・・・

または展開的に黒田みのるのアシスタントなのか

謎です!

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